交流の6段階モデルによる高齢者の社会参画を促進する要因分析
〜「ミレニアム・プロジェクト」・桐生多世代交流実験を事例として〜

 富山 慶典,群馬大学社会情報学部
 森 美有紀,群馬大学社会情報学部
 熊田 禎宣,千葉商科大学政策情報学部

日本の高齢者は高い就業意欲を持っている.しかし,仕事を除いた社会活動にでさえ 高齢者が活発に参加できる場はほとんど存在していない.彼らの住む地域で多世代交 流を実行することがこのような場を作り出し,その場が高齢者の就業の機会を生み出 すのではなかろうか.本研究の目的は,一般的な交流の6段階モデルを構築し,ミレ ニアム・プロジェクトの一事業である桐生の多世代交流実験にそのモデルを適用し, 高齢者の社会参画を促進する要因を分析することにある.分析の結果は,成功した多 世代交流が「地域ネットワーク」,「地域エデュケーション」,「地域インフォメー ション」という3つの要因をもっていることを示している.最後に,これらの要因の 一般性が検討される.