手塚　伸　　　財団法人山梨総合研究所（山梨県企画部企画課）（発表者）
山浦　晴男　　有限会社情報工房代表取締役

Abstract
　近年、地方分� の進展と共に地域住民の行政への参加の重要性が指摘され、全国各地で
様々な手法での住民参加型の地域づくりが進んできている。特に、今日、国・地方を通じ
て、財政が危機的な状況に� る中で、民意の反映の意味はもちろんのこと、地域特性を最
大限に生かす中で、最も効率的かつ実効的な地域整備を進める意味からも、参加の手法の
重要性が高まっている。
　現在、山梨県高根町清里では、ＪＲ小海線清里駅及びその周辺の整備を検討中で� る。
清里は、言うまでもなく、年間２００万人もの観光客が訪れる我が国有数のリゾート地で
� る。このため、駅周辺整備に当たっては、単に交通ターミナルという機能的な役割ばか
りでなく、清里のシンボルとして優れたデザイン性を有した、交流の拠点としての役割、
インフォメーションセンターとしての役割など、様々な意味が求められている。
　また、駅前商店街をはじめとする地域住民や周辺の観光業者、別荘居住者、ツーリスト
など、様々な人々が利用する代表的な公共施設となることから、整備に当たってはこうし
た利用者の利便性向上を前提としながら、リゾート地清里の新たな顔として用意周到に整
備構想を樹立することが求められている。
　今回は、住民ワークショップを通じ、様々な意見を吸い上げると共に、KJ法を活用し、
住民の駅前整備への思いを「シンボルモデル」として構造化した。また、これに基づき詳
細なアンケート調査を実施するとともに、これらの結果から表現されるものをイメージス
ケッチとして提案し、整備構想への基礎資料とした。