札幌都心部における駐車場配置による歩行回遊行動に関する研究

内田 賢悦 北海道大学大学院 工学研究科
加賀屋誠一 北海道大学大学院 工学研究科
萩原  亨 北海道大学大学院 工学研究科

    
近年,都心活性化策の一つとして,都心の歩行者回遊行動に着目し,来街者が楽しく歩き回ることを可能とする条件整備の必要性が提起されている.来街者が,都心を"まわる"ことや"ぶらつく"ことは,都心部の賑わいを創出し,さらに来街者の商業施設の訪問頻度が高くなれば,それが消費行動を起こす動機につながると考えられる.本研究では,札幌都心部における歩行回遊行動を駐車場配置の観点から分析したものである.分析に先立ち,札幌都心部の駐車場利用者にアンケート調査を実施した.このアンケートの結果をもとに,駐車場から目的利までの距離および駐車場が提供する買物による無料サービス時間により歩行回遊頻度を推計し,前述の要因と駐車料金により駐車場選択確率の推計を行っている.これらの2つの推計結果から,駐車場から目的地までの距離が590mであるとき,歩行回遊行動が最も活発化するという結果が得られた.