WTO加盟下の中国のフードシステム

木南莉莉(新潟大学)・木南章(東京大学)

 近年の中国の経済成長は、食品の需給構造にも大きな変化をもたらしている。中国は、巨大な食品消費市場として注目されると同時に、日本を始めとする海外への食品供給能力にも目を見張るものがある。このことは、日本を含むアジア諸国にとって大きなビジネスチャンスであると同時に、各国の農業および食品産業はいかに中国と付き合うのかが問われていることを意味している。
 中国のWTO加盟は、国際競争力の弱い中国農業に大きな影響を与えることが予想されるが、同時に、農業から食品製造業、流通業を経て消費者に至るフードシステム全体に大きな変化をもたらすと考えられる。さらに、相互依存関係を深めているアジア諸国の農業や食品産業にも大きな影響を及ぼすものであると考えられる。
 そこで本研究では、まず、中国のフードシステムの現状を分析したうえで、WTO加盟が中国のフードシステムに与える影響を明らかにする。次に、国際産業連関表を用いて中国の食品産業とアジア諸国との相互依存関係を明らかにする。そして、中国のWTO加盟がアジア地域におけるフードシステムに与える影響について分析し、アジア地域内の協調関係の構築へ向けての政策提言を試みる。