商業地の活性化方策が都市活動立地と人口分布に及ぼす影響
現在、首都圏などの大都市では引き続き、経済活動が集中している一方で、
多くの地方都市では大型商業施設の郊外立地、人口の郊外化、都市圏全体の
人口飽和に伴い、中心市街地の衰退が深刻な都市問題となっている。この問題
に対処すべく中心市街地活性化法が整備され、地方自治体が市街地の活性化法
策を検討されるようになった。しかし、そこでは都市圏全体での計画調整がな
されず、各自治体は当該中心市街地内部の問題解決に偏る傾向になる。都心商
業地域の盛衰状況や周辺地域の立地動向は、中心都市及び周辺地域を含んだ都
市圏内部での経済活動の空間的集中と分散によって把握することができるため、
都市圏内における商業活動の空間分布がいかに決定されるのか、また、またそ
の空間分布が厚生上望ましくない場合、いかなる政策を取ればよいかをミクロ
行動論的に表現したモデルで作成し、その空間分布を分析することが必要である。
本研究では、集積の経済を指向する企業立地と 消費財の多様性を考慮した
家計が居住地、就業地、そして商業地の立地選択行動を通じて実現する都市内地域
別人口、雇用、目的別交通の空間分布を求めるモデルの作成を試みる。モデル
を用いて商業地の活性化方策が都市活動立地と人口分布に及ぼす影響を分析する。
Effect of Commercial Re-urbanized Policy
on Urban Location and Population
Distribution.
The issue of the effect of commercial re-urbanized policy on urban
location
and Population distribution is very
important, especially its impact analysis
for policy examinations.
This study aims to build a model which express the spatial distribution
of
population, employment and traffic demand
in intra-urban area from the result
of several location choice behaviors such
as commercial choice, residential
choice and office choice. Theoretical
framework is based on Fujita(1995),
Mun(1995), and Ueda(1997) for consideration
of the agglomeration economies
and variety of goods in spatial
distribution level. It will attempt to analyze
the effect of commercial re-urbanized
policy on urban location and population
distribution.